市川市にある、ぎんがホールのご主人N氏と出会ったのは、2004年7月、江戸川区で行った初心者のための無料講演会でのこと。お客様のひとりであったN氏は、講演終了後、「私の家に小さなホールを作りました。能のお話をして頂けませんか？」と声を掛けられ、それから1ヶ月後、N氏のお宅に伺いました。
音が漏れないことに重点を置き、音響にも配慮され、白を基調とした落ち着いた雰囲気、予想以上の立派な設えで、ミニコンサートやピアノの発表会、落語や民話を聞く会などを催すことを計画しているとのことでした。その中に1年にわたる能の集いを加えたいというN氏からの提案。単発の依頼は多くございましたが継続した講座は今までにはなかったことなので、こちらもヤル気がみなぎって参りました。
2004年11月の先触れの会を皮切りに、年明けて2005年1月から全10回に分け、観世九皐会定例会で演じられる演目を取り上げお話させて頂いております。お蔭様で毎回、40名弱の満員のお客様。ほとんどの方がリピーターとなって下さり講座の後、茶話会をしてお客様との歓談の時間もあるので私もお顔、お名前も一致して参ります。すっかり、能の虜となり、九皐会例会やその他の能の催しにお出かけ下さる方も増えて参りました。
何よりも感謝したいのは、N氏ご家族のご努力です。伺う度に感心させられます。私自身も良き勉強の場となっております。今後とも、より充実した内容をお届けしたいと思っ ております。