日時 | 平成20年5月17日(土) |
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会場 | 喜多六平太記念能楽堂 |
出演 | シテ: 桑田 貴志 ツレ: 古川 充 ワキ: 安田 登ほか |
都のさる貴人に仕える者(ワキ)が主家の乳母(ツレ)の里帰りの供をして摂津の日下の里に着き、所の者(アイ)に日下左衛門の消息を尋ねるが零落して行方も知れない。
従者は乳母を慰めようと所の者に相談して浜市に向かう。芦売りの男(前シテ)が登場し、難波の朝景色をめでた後、問わず語りに落ちぶれた我が身の境涯を述べ、従者の問いに応えて、葦と芦との異名のこと、所によって物の名が変わることなどを語っているうちに興に乗り、笠尽くしの謡い、舞いを披露する。終って輿の中の乳母のもとに芦を持ち寄り、女と顔を見合わせた男は不意に芦を捨てて物陰に身を隠す。この芦売りこそは、乳母の尋ねる日下左衛門であった。かくて2人は、離別後の恋しさを語り合う。やがて、烏帽子直垂に着替えた男(後シテ)は乳母の女と共に、歌の名所である難波にこと寄せて和歌の功徳を語り、喜びの舞を舞い、連れ立って都に向かう。