清涼山にて文殊の浄土へつながっていると謂われる石橋という橋の傍らで待つ寂昭法師(ワキ)の眼前に、紅白の獅子(後シテ・ツレ)が豪壮に現れる。牡丹の花が華麗に咲き誇るなか、獅子達は舞い戯れ、萬歳千秋を祝う。「大獅子」の小書によって、紅白の獅子の相舞いとなり、一段と興趣が増す。白獅子はどっしりと、赤獅子は俊敏にと対照的な動きを見せ、舞台狭しと入り乱れて舞う姿は圧巻である。