日時 | 22年11月19日 |
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会場 | 矢来能楽堂 |
「熊坂」、とても疲れました。能の後、こんなに疲れたのは「道成寺」以来です。
「熊坂」のどこがそんなにしんどいのか。
まず、前場も後場も謡が多い。分量もさることながら、天下の大泥棒の風格を出すため、迫力満点で謡わなければなりません。前は角帽子、後は長範頭巾を被っているので、自分の声が聞こえず、つい大声で怒鳴って謡ってしまいます。後にかける長霊癋見(ちょうれいべしみ)という能面は口に穴が開いていないので、たいそう息苦しく酸欠状態となります。後半動き回って、本当にしんどかったです。
後場で葛桶にかけている時、薙刀をずっと構えているのですが、これが何と言ってもつらい。
薙刀は立てて持てばそんなに重くないのですが、この時は斜めに持たなければなりません。薙刀の重みがモロに右手にかかってきます。
重くて重くて、悲鳴をあげそうでした。
後場の激しい動きは、体力的に限界を超えています。
なにせそれまでのしんどい動きと、薙刀の重みで体が悲鳴を上げているところに、飛んだり跳ねたりの大活劇です。
相変わらず、耳はふさがれ口もおおわれ酸欠状態。手は汗ビッショリで、少しでも気を抜くと薙刀が手から離れそうです。
そんなこんなで、とっても疲れた舞台でした。だからこそ、やりきったという充実感があります。
体力的にはキツかったのですが、頭はけっこう冴えていました。「熊坂」は仕舞では何度か舞っているので、それなりに余裕を持って勤められたように思います。
体力のあるうちに、また挑戦したい曲ですね。