能楽師・桑田貴志 深川能舞台WEBサイト

公演レポート

富岡八幡宮例大祭能奉納 半能「弓八幡」


日時 平成21年8月13日(木)
会場 富岡八幡宮
出演 桑田貴志:「弓八幡」、 小島英明師:舞囃子「菊慈童」、 観世喜正師:舞囃子「船弁慶」 ほか

私が住んでいます深川では、富岡八幡宮のお祭り(深川八幡祭り)は大変な熱気で語られます。深川っ子は、この祭りのために生きているのではとも思います。江戸三大祭りにも数えられる由緒あるお祭りの舞台で、特別に奉納をさせていただきました。 曲目は、八幡様にちなんで「弓八幡」です。

真の神舞」という颯爽とした早い舞を舞う「弓八幡」は、お祭りの雰囲気にピッタリでして、会場は大賑わいでした。

二十一年度の深川八幡祭りの初日を、華々しく飾らせていただきました。平日の奉納でしたので、お客様がどの程度お運び下さるか不安だったのですが、とても多くの方に来ていただけました。富岡八幡宮の境内に建てられた特設舞台には、とにかくたいへんな人だかりです。よく見ると、我が家の隣のおばさんとか、向かいのおじいさんとかいます。この催しは町内に回覧版として周っていまして、ご近所さん大集合でした。

この最高のシチュエーションの中、気持ちよく舞うことが出来ました。静粛な能楽堂で、じっくり舞うのも良いですが、お祭りのざわめきの中、風の音や蝉の鳴き声にのって舞う気持ちよさは、格別でした。多分、能の原始の姿って、こうだったんだと思います。
「芸能の原点は、祭りにあり」
私が良く引用する柳田国男の言葉をの意味を、噛みしめました。

当日は、半能「弓八幡」の他に、小島英明師の舞囃子「菊慈童」、観世喜正師の舞囃子「船弁慶」がありました。また、観世喜正師には奉納として「神歌」も謡って頂きました

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